apriori_37g

言葉が好き

二十年の構造

二十歳になった。私が二十年続いた。最近やっと気づいてきたことだけれど、みんなそれぞれ色々悩んでるし、私の悩みはすぐ傍にいる誰かの悩みだったりする。私は本や絵ばかりに向き合ってきたけれど、いま本当に向き合うべきなのはいま隣にいる人間なのだとようやく気付いた。
誕生日の一日前、私は大きな後悔をした。当たり前にある未来だと思っていたものを突然失ってしまった。私ではなく教え子の人生だった。私はこれからずっと、これを枷に仕事を続けるのだと思う。
仕事を二年続けてきても、まだ沢山間違ってしまう。みんなはできているのに、何故私は間違えるんだろうとずっと思っていた。
二十歳を迎えた朝、同期の男と喋り続けた。彼は「俺だって沢山やらかしてるよ」と答えた。私は他人の失敗が見えなかっただけで、それぞれがそれぞれに悩んでいるし、前に進もうとしているのだと思った。本当に当たり前のことだけれど、私は全然気づいていなかった。
上司に迷惑をかけることを一番恐れていた。もっと言えば、自分が嫌われるのを一番恐れていた。でも、上司だって間違えはするし、結局は笑って私と話してくれる。私は他人を恐れすぎている。
家族のことも考えた。正直家族のことは嫌いだ。今父として家にいる男は本当の父では無いし、妹とは何年も話していないし、母のデリカシーの無さには疲れる。今すぐ誰かさらって欲しい。
私はもう、家族以外に必要とされる人生を送りたい。一緒にいて楽しい人になりたい。恥を捨てられる人間になりたい。しっかり謝れる人になりたい。誰とでも話せる人になりたい。